FoF1 ATPase

Kubo et al., Sci. Rep. (2020)

ミトコンドリアFoF1 ATPaseはミトコンドリアの内膜に局在する分子モーターである。 FoモーターとF1モーターの複合体からなり、Fo部分が内膜に貫通、F1部分が細胞質側に突出している。 このモーターはATP合成とATP加水分解の両方を行う。(両方とも行うかどうかは厳密には常に正ではない) ATP合成は膜間のプロトン濃度勾配を駆動力にFo部分が水車のように回転する事で、F1部分で行われる。 一方、F1部分がATPの加水分解を行う事で、合成時とは逆方向にFo部分を無理やり回転させる。この逆方向の回転運動によって、プロトンポンプとしての機能を発現する。 [Kubo et al., Sci. Rep. (2020)]では実験で直接観察する事が困難なプロトンの移動をMC計算によって可視化した上で、MD計算と組み合わせて両方向の回転機構を解明した。 現在は、F1でのヌクレオチド反応を合わせてFoF1 ATPase全体系の計算に取り組んでいる。

Shintaroh Kubo
Shintaroh Kubo
Postdoctoral Researcher

My research interests include biophysics, molecular motor, computer simulation and programming.

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